immutable Xの特徴・詳細について|注目のEthereumレイヤー2ソリューション

ERC上でNFTの売買を行うと、Gas代高いしトランザクションの処理も時間かかるしウォレットにも上手く反映されないし色々とストレスを感じます。

今回はそれらの課題を解決するNFTに特化したEthereumのレイヤー2プロジェクト「Immutable X」というプロジェクトをご紹介します。

Immutable XはNFTマーケットプレイスなどの取引手数料やトランザクション処理の速さなどの課題を解決するNFTに特化したレイヤー2ソリューションです。

Immutable社は、2019年に当時最高取引高210ETHを記録して話題を呼んだNFTトレーディングカードゲーム「Gods Unchained」を立ち上げた企業で、この企業がレイヤー2ソリューションを開発していることから注目を集めています。

あどまん
この先調整相場が来ようが、再度上昇ターンに入ろうがどちらにせよ徐々に買い集めていきたいと思えるプロジェクトに出会えました。現状NFTに特化したレイヤー2のプロジェクトは現状immutable Xくらしか見当たらず、かなり面白そうなのでぜひご覧ください。

immutable Xの概要

ティッカー/通貨名 $IMX/immutable X
対応チェーン ERC
上場先 Coinbase,FTX,bybit,MEXC,Kucoin,Gate,Huobi等
時価総額 130位(12/21時点)
公式サイト https://www.immutable.com/
各種サイト Telegram
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Immutable Xは、EthereumのNFTに特化したレイヤー2(L2)スケーリング・ソリューションです。

Immutable X上では即座にトランザクション処理が行われ、ミントや取引の際にかかるGas代がゼロ、さらにはレイヤー2ということでイーサリアムの強固なセキュリティが担保されていることから非常に注目を集めているプロジェクトです。

Coinlistでセールを実施し、鳴り物入りで上場したIMXトークンはすでにCoinbaseやFTX,bybit等大手の取引所に上場しています。

トークンは主に報酬の支払い、ガバナンスの実行、ステーキング等に使用できます。

 

Immutable Xの特徴

ZK-Rollup技術を用いている

Immutable Xは、StarkWare社が開発した最先端のロールアップ技術を用いてNFTに特化した取引ツールを開発しており、イーサリアムのセキュリティを維持しながら、スケーラビリティとユーザーエクスペリエンスを実現しています。

ZK RollupはOptimistic Rollupと並ぶレイヤー2の技術として非常に有名で、immutable Xの他にはdydxやLoopring,ZKSwapなどがZK Rollup技術を使って開発しています。

また、ZK Rollupsは、「ゼロ知識証明」を使用しており、ブロックの検証に必要なストレージと計算能力の量を削減しているため、Immutable Xは1秒間に9,000件以上のNFT転送、取引、mintが可能です。

ゼロ知識証明
ある人(証明者)が別のある人(承認者)に対して、与えられた情報が「真実である」ということ以外の情報を与えずに、その情報が実際に「真実」であることを証明する手法。ブロックチェーンの分野ではプライバシー技術として当初注目されましたが、現在ではスケーリングの技術としても採用されています。ゼロ知識証明でオフチェーンデータの圧縮と検証性を高めることによって、イーサリアムの抱える課題を解決します。

 

あどまん
Ethereumの共同創設者であるVitalik Buterin氏も「Ethereumのエコシステムは、近い将来スケーリング戦略としてロールアップを全面的に採用することになるだろう」と言っている様に、このロールアップという技術がいかにイーサリアムにとっても重要なものか分かりますね。ちなみにVitalik氏はStarkWareにも投資をしています。
ちなみに、
Arbitrum等で使われているOptimistic Rollupは、
・Optimistic Rollup上→ERCに資産を引き出す場合、7日間程度かかる
・実行環境がOVMという抽象化したEVMなのでERCアプリケーションをOptimistic上に横展開しやすい
に対して、
ZK Rollupは、
・ERCには即日で引き出し可能
・実行環境がSyncVMなので、開発コストがかかる。
などが大きな違いです。

あどまん
現状はZK Rollupの実行環境がSyncVMということで、イーサリアム上に展開されるアプリケーションをそのまま移植できませんが、ZK-Snarkという技術が向上することでEVM互換を獲得するのではないかとも言われています。
そうなってくると、ZK Rollupも浸透していきそうですね。
少なくとも2022年以降はレイヤー2、並びにこのZK Rollupやゼロ知識証明などはホットワードになりそうなので覚えておきましょう。

トランザクションの処置が高速&Gas代がかからない

 Layer2のオフチェーン上の処理のためスケーラビリティがあり、さらにはガス代も発生しません。

NFTを売買する際に高額なGas代がかかったり、購入までにかなりの時間を要した経験はありますよね?

イーサリアムで抱える課題を解決するのがまさにimmutable Xの役割であり、トランザクションは高速で処理され、Gas代も発生しない設計になっています。

みけ
え、ということはNFTの売買し放題なの?
マーケットプレイスに販売している低額のアートを買い占めたいな。

ここまで読んでるとそう思うかもしれません。

しかし、Gas代がゼロだと、Immutable Xのネットワークを維持することができなくなります。

そのため、すべての一次資産の販売に対して2%の手数料とNFT取引に対しても2%の手数料がかかる設計になっています。

ちなみに2%はImmutable Xのプロトコルを利用するための手数料になり、それを利用するマーケットプレイスが独自の手数料を上乗せすることができます。

また、Gas代ゼロで成立する理由は、immutable側でGas代を支払っているからです。

ユーザーはイーサリアムのメインネットで取引する代わりに、取引に署名してその署名を元に数学的な証明が行われ、メインチェーンにアップロードされます。この証明自体にはガス代がかかるため、そのGas代をimmutableがユーザーに代わって支払うことで、ガス代がゼロになる仕組みです。

あどまん
Immutable Xを運営していくためには最低でも1年間で200万から500万ドルのコストがかかるようです。
この徹底したユーザーエクスペリエンスを優先した設計は本当に素晴らしいですね。

NFT対応ウォレットやMarketplaceもローンチ済み

ImmutableXは、NFT対応のウォレットとマーケットプレイスもローンチしています。

他のNFTスケーリングソリューションと異なり、プロトコルの流動性を供給するためのグローバルオーダーブックを提供しています。

つまり、あるマーケットプレイスで作成された注文を別のマーケットプレイスで処理することができるようになります。結果として、マーケットプレイスは自社プラットフォームの取引をより活発化させることができます。

あどまん
Serumの仕組みと似ていますね。

また、Immutable XはすべてのEthereumウォレットをサポートしています。

ユーザーがネットワークを切り替える必要はなく、サードパーティマーケットプレイスのエコシステムをサポートしているため、非常に使い勝手が良いですね。

 

NFTアプリケーションの構築も容易にできる

Immutable Xは、REST APIを提供しており、容易にNFTアプリケーションの構築ができるようになります。

現在、NFTアプリケーションを提供するには、開発者はコンポーネントの構築に資金も時間も費やさなければならず、ユーザーのエクスペリエンス向上にかける時間を削ることにも繋がります。

Immutable Xでは、NFT発行から取引、転送等をREST APIを使って呼び出すことによって、今まで数週間かかるような処理を行うことなく、数時間程度でNFTプロジェクトを構築することができるようになります。

また、ガス代ゼロでNFTを作成することができるところもImmutableXならではの強みですね。

あどまん
ImmutableXはZK-Rollupsを開発しているStark Ware社とパートナーシップを結んび、かつGas代がかからない設計にすることによって、NFTの取引や作成をより効率的にしています。
ユーザーファーストであり、まさにERCの課題を解決するためのプロジェクトであることがわかりますね。

なぜL2が必要なのか?

そもそも、なぜイーサリアムではなく、immutable Xというレイヤー2のプロジェクトが必要になってくるのかを説明していきたいと思います。

あどまん
普段ERCでNFTのmintや売買を行なっていると凄く感じる部分ではありますが、イーサリアムにはいくつかの課題があります。
低いスケーラビリティ
Ethereumは、セキュリティと非中央集権性を維持するために、従来のデータベースと比較して低いスループットを維持しています。
従来のデータベースに比べてスループットが低く、1秒間に5~15回のトランザクションが発生します。そのため、Ethereumの活動が大幅に増加すると、ネットワークの混雑やトランザクション時間の遅延が発生します。

 

ユーザーエクスペリエンスが宜しくない
現在、EthereumでのNFT取引のユーザーエクスペリエンスは、あまり良くありません。
取引をするのに数分~数時間かかり、時には失敗したりすることもあり、ユーザーの満足度も非常に低いです。
既存のソリューションや代替ブロックチェーンは、ユーザー資産のセキュリティやネットワークの分散性を損なうことで、このユーザーエクスペリエンスを改善しています。さらに、FT(Safepalのような)ウォレットも十分な情報が表示されておらず、分かりにくいことも課題として挙げられます。

 

開発者の経験不足
現在、NFTアプリケーションやマーケットプレイスの開発者は、開発時間の大半をブロックチェーンコンポーネントの構築や設定に費やしています。
本来はユーザーに素晴らしいユニークな体験を提供することにも関わらず、開発者は新しいプログラミング言語やパラダイムを学ぶ必要があり、そこに膨大な時間を費やしているのが現状です。
そのため、新しいプロジェクトには大きな参入障壁があり、多くの素晴らしいNFT体験を生み出すことができません。

 

流動性の低さ
NFTは、ERC-20のトークンに比べて流動性が低く、なおかつ Ethereumの高いガス料金が個人のDeFi投資家を遠ざけ、クジラが利益を得るだけの環境になっていることも課題として挙げられます。
参照:https://cointelegraph.com/news/whales-profit-as-high-ethereum-gas-fees-sideline-retail-defi-investors

 

これらの課題から見てわかる様に、ERC上のNFTには限界があります。

イーサリアムの優位性、NFTへの需要がある一方で、イーサリアムがNFTの基盤となるためにはかなりのハードルがあります。

そのため、レイヤー2によってEthereumのセキュリティを担保しつつ、スケーラビリティ、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、ユーザーにとって取扱やすい環境を構築していく必要があります。

IMXトークン

IMXはERC-20のユーティリティー・トークンであり、Immutable X上での手数料やステーキング等に用いることができます。

また、Immutable社はトークンの発行元であるDigital Worlds Ltd.と提携しています。

トークンのユースケース

手数料

Immutableのプロトコル料金の20%をIMXトークンで支払う必要があります。
この料金は、IMXで直接支払うか、またはImmutableは、実際の購入通貨(ETHなど)を公開市場でIMXと自動的に交換します。
つまり、ユーザーはIMXトークンを明示的に保有していなくても、プロトコル上での取引が可能となります。

あどまん
これほんとどこまでユーザーファーストな仕様なんだ、って感じです。
手数料の20%がIMXでかかるものの、ユーザーは保有していなくても自動的に交換される仕組みなのでわざわざIMXを購入しておく必要がありません。はぁ、とても素晴らしい。

ステーキング

報酬獲得メカニズムの一部として受け取ったIMXトークンは、「ステーキング報酬プール」に送られます。
毎月一定の間隔で、このプールは、IMXトークンを積極的にステーキングしているすべてのユーザーに比例して分配されます。
IMXトークンをImmutable Xに積極的にステークするすべてのユーザーに比例して分配されます。

仕組みとしては、取引手数料として徴収されたIMXはステーキングリワードプールに送られ、貯まった分がステイカーに分配されます。

取引量が増えれば、貰える枚数が増えるので嬉しいですね。

ステーキング枚数が多ければ多いほど、そして取引量が増えれば増えるほど、貰える枚数は増えるのでIMXの需要も増えそうです。

ガバナンス

immutable Xコミュニティのアクティブなメンバーとして、プロトコルの将来に対するIMX加重投票権を得ることができます。

あどまん
多くのトークンがガバナンス機能しか持っていない中、このimmutableXはしっかりとトークンのユースケースを設計できています。結局どれだけプロトコルのクオリティが高くても、トークンのユースケースがなければ価格は上がりません。
IMXは需要が生まれやすい設計であるため、期待できそうです。

Immutable社について

Immutableは、業界をリードするNFTテクノロジー企業であり、100人以上のメンバーのバックグラウンドはブロックチェーン、FANG、金融、フィンテック、経営コンサルティングなど多岐にわたります。

Immutable社はImmutable Xプロトコルの開発元であり、人気のNFTゲームである「GodsUnchained」や「Guild of Guardians」を開発しています。

また、Immutableは、2018年にシードラウンドを、2019年9月に1500万米ドルのシリーズAを以下から調達しました。

immutableXに投資した主な企業
GALAXY,NASPERS,コインベース,APEXキャピタル,ニルヴァーナ キャピタル,コンティニュー・キャピタル等

immutableXはイーサリアムNFTのための次世代プロトコル

いかがでしょうか?

immutableXはNFTに特化したレイヤー2ソリューションであり、ユーザー、開発者双方にとってのユーザーエクスペリエンスの向上を目指しています。

最近では「TikTok」もimmutableXを活用したNFTの参入を表明していたり、Illuvium等超注目NFTゲームプロジェクトもimmutable Xを選んでおり、今後ますます需要は増えていきそうです。

あと、OpenSeaもimmutable Xに統合していくと発表もしてましたね。

さらにはレイヤー2は仮想通貨における今後の最重要テーマでもありますし、注目しておいて損はないかと思います。

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