仮想通貨取引で大きなファンダの材料とされるのは、大手の取引所への上場や取引所からの資金調達成功など、取引所絡みであることが多いですよね。
そんな中でも【Binance】や【FTX】に並びよく名前が上がるのが、アメリカ最大の取引所【Coinbase】
その歴史は古く2012年の6月20日と取引所の中でも最古参の部類ですが、2021年8月19日に日本向けサービスがローンチされるまで、日本人は利用することができませんでした。
そのため「名前はタイムラインとかでめちゃくちゃ見るけど、どんな取引所なのかよく知らない」という人も多いと思います。
そこで今回は日本人はあまり知らないけど、実は仮想通貨市場への影響力がとてつもなく大きいCoinbaseについて、何がどうすごいのかをご紹介します!
各国の規制に上手くかいくぐり、超ユーザーファーストで世界最大規模に登りつめたBinanceとは対象的に、規制は徹底的に遵守する姿勢をとっており、取引高では及ばないものの、界隈外も含めた社会的信用度や影響力は群を向いているのが特徴です。
今までもこれからも仮想通貨市場にとって超重要な存在であり続けるのはほぼ間違いありません。
Coinbaseの動きを追わないのは主演俳優を一切見ずに映画鑑賞するようなものなので、この機にしっかりチェックしてみてください。
目次
Coinbaseとは
Coinbaseはアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く、アメリカ最大規模の仮想通貨取引所です。
世界100カ国以上に向けてサービスを提供しており、2021年12月時点で6800万人以上のユーザーを抱えています。
2012年の6月、ブライアン・アームストロング氏によって設立された最古参の部類に入る取引所でもあります。
しかも多くの取引所が生まれては消えていく中、ずっと最前線に立ち続けています。
先日記事にしたアンドリーセン・ホロウィッツからも2013年5月とかなり早い段階で数千万ドルクラスの資金調達を受けています。
預かり総資産額は実に20兆弱(日本の国家予算が約100兆)、BTCの保有枚数も4000BTC超と、上場企業の中でも6位(イーロン・マスク率いるTeslaは2位)につけており、名実ともにトップクラスの取引所です。
Coinbaseの何がすごいのか?
世界一の経済大国かつ投資大国であるアメリカで最大規模を誇る
当たり前のことですが、お金=パワーの投資の世界において、世界一お金持ちな国であるアメリカのシェアを取っているのはとても大きいです。
さらにアメリカは投資に対して積極的な国民性を持っており、金融資産の50%を株や仮想通貨などのリスク資産に回すと言われています。
【投資=ギャンブル=やってはいけない】の考え方が定着している日本とははっきり入って大違いですね…
持っているお金の量も投資に回す割合もほかの国と比べて桁外れに大きいため、市場に与える影響も甚大というわけです。
上場ファンダの価格への影響が大きい
こちらがGMOさん肝煎りの日本円ステーブルコイン「GYEN」が米Coinbaseに上場した後の様子だそうです…
勿論1GYEN=1円…なんですが、これつまりGYENを刷ると3倍になるという錬金術で合ってますか…? pic.twitter.com/4z45HJLYUp— モノアイ (@mono_i_love) November 17, 2021
Coinbase上場は今の仮想通貨市場で最高レベルの上げ材料で、発表された途端にその通貨の価格が急上昇します。
急騰した銘柄は数多くありますが、その中でも特にインパクトがあったのがこちらの【GYEN】上場時の値動きです。
このGYENはUSDTなどと同じく法定通貨担保型のステーブルコインであり、実際の円を担保に発行されているため、1GYEN=1円の価値しか本来持ちません。
しかし、上場と同時に一気に買い圧力が発生し、無理やり価格を3倍以上に押し上げてしまいました。
こうした適正価格がはっきりしている通貨は、本来その価格(この場合1GYEN=1円)より高い値段ではなかなか買いが入らないのですが、そんな常識を完全に壊すFOMOっぷりです。
いかに相場参加者が「Coinbase上場=買っていい」と思っているのか、アメリカ人がイケイケドンドンで買いを入れやすいのかがわかりますね。
Applepay・Googlepay・Shopify・三菱東京UFJ銀行などと連携
Coinbaseは、アメリカ当局に対して非常に柔軟な姿勢を見せており、規制には逆らわず丁寧にクリアしていくことで信頼を積み上げてきました。
おそらくもっともクリーンな運営をしている大手取引所のため、界隈外の巨大企業との提携も多いです。
例えばCoinbase内で仮想通貨を購入する際は、ApplepayやGoogle Pay(こちらは近日実装予定)を決済手段に選ぶことができます。
信頼性の高いステーブルコイン【USDC】を発行している
Coinbaseはフィンテック企業【Circle】とともにCENTUREというオープンソースプロジェクトを立ち上げています。
そのCENTUREにて【USDC】という米ドルを担保にした法定通貨担保型ステーブルコインを発行しており実質発行元です。
今後このUSDCが普及していけば、仮想通貨市場での基軸通貨となることが十分に見込まれます(現在の時価総額は10位前後を推移)。
現状、法定通貨担型ステーブルにはテザー社の発行するUSDTが市場に浸透しており「別にUSDTあるし、今更ドルステーブル必要なの?」と思った方もいるかも知れません。
しかしテザー社は「本当に担保のドルを所有しているのか」といった疑惑があり、訴訟も起こされるなど、運営の透明性が問題視されています。
これは法定通貨担保型ステーブルコインの特徴である【発行元を信用する必要がある(発行元が暴走したら止められない)】という点からして完全に致命的です。
・世界一金融に関しての規制が厳しいとされるニューヨーク市からBItLicense(仮想通貨関連事業の免許)を世界で初めて取得
・ゴールドマン・サックスから巨額の支援を受けている
・SECの規制遵守を徹底しており仮想通貨取引所Poloniexを買収した際、ガイダンスに乗っ取りいくつかのコインの上場を廃止
と非常にクリーンな運営をしており、社会的にもそれが認められています。
先述したようにCoinbaseもクリーンな仮想通貨関連企業であり、2社が実質発行元であるUSDCの信頼性は突出して高いです。
この点は今後USDCがシェアを広げていくにあたって大きな要因になるでしょう。
ビットコインが一部で【マジカルコイン】と呼ばれ「価値の裏付けがないのでは?」と言われているのも、このテザー社の疑惑によるところが大きいです。
USDCが普及すればそうしたマイナスイメージもだいぶマシになるのではと期待しています。
【CoinbaseVentures】として有望なプロジェクトにガンガン投資している
$GF
くそが!また上がりやがった。なかなか強いな。2ドル台になったら即買いたいんだが...。
それにしてもVCが本当に強い。HASHEDを始め、PANTERA、ALAMEDA、animoca、そして大正義Coinbase様。上場前に出会えたことに感謝。https://t.co/xpmW9yEX0M pic.twitter.com/zglfWu9hnW— あどまん/CryptoTrader (@admen_vc_2) December 2, 2021
2018年に、ベンチャーキャピタル【Coinbase Ventures】を設立して、数多くの有望な仮想通貨スタートアップに出資をしてきました。
僕が知る限り、Coinbaseは出資する際の選定眼がかなり良くて、自分が投資するかどうかを決める時の大きな指標になっています。
出資先にはDefiの先駆けである【Compound】や、NFTのマーケットプレイス【Opensea】など、今や大成功しているプロジェクトが多数あります。
先述したように上場前に仕込めると大きな利益が見込めるので。
仮想通貨を学びながら報酬ももらえる【Coinbase Earn】
めちゃくちゃユニークなサービスで、Coinbaseに上場している各プロジェクトの概要をまとめたムービーを見た後にクイズに答えて正解すると、そのプロジェクトのコインが数ドル分もらえます!
今だとStellarのコースで10ドル分のXLMがもらえます。日本人ももちろん参加可能ですのでまだの方はぜひ。
このサービスは多くの人にとってそのきっかけになるのではないでしょうか?
正直バブルが弾けるとともに人が減るのは純粋に寂しい限りなので、値動き以外でも魅力を感じてくれる人が増えてくれたらなあと思っています。
せっかく知り合ったのに金の切れ目が縁の切れ目みたいになっちゃいますからね。
Coinbaseからは目を離せない
規模の割に日本人ユーザーが少ないCoinbaseですが、現在の仮想通貨市場において、主役の一人であることは間違いありません。
既存の金融市場を少なからず荒らしてしまう存在である仮想通貨取引所はどうしてもグレーな部分が残っており、そうした取引所を利用する仮想通貨投資家というのは世間一般から【変わり者】【アナーキーな思考を持っていそう】というイメージを抱かれがちです。
Coinbaseは規制と正面から向き合い、仮想通貨を当たり前に使われている金融サービスの中に組み込もうと長年活動を続けています。
純粋に値動きを追ううえでも重要な指標になるので、これまであまりチェックしていなかったという方はぜひこの機会に調べてみてください!