Avalanche上で展開する匿名トークン「SherpaCash」について解説

Avalanche Networkが徐々に盛り上がってきました。

LaunchPad銘柄の「XAVA」がローンチ&Kucoinへ上場、AvalancheのAMMであるPangolinのガバナンストークン「PNG」もようやくGateへ上場し、CEX⇔DEX間のやり取りがとてもスムーズになりそうです。

そんな今回はAvalanche Network上で開発されるプライバシートークン「SherpaCash」について紹介したいと思います。

2021年6月に満を持して上場予定とのことでAvalanche界隈では非常に注目を集めているプロダクトです。

あどまん
上場間近ってころで改めてこのプロジェクトがどのような性能を持っているのか、なんのために開発されているのか知ってもらえると嬉しいです。

Sherpa Cash(シェルパ・キャッシュ)とは?

ティッカー/通貨名 $SHERPA/Sherpa Cash
対応チェーン Avalanche Network
上場先 Penguin,Pangolin等
時価総額 ???
公式サイト https://sherpa.cash
各種サイト Telegram
Twitter
discord

Sherpa Cashは、Avalanche上で展開しているプライバシーの保護に特化した分散型プロトコルです。

本来すべてのトランザクションは、Etherscanなどのエクスプローラーで確認できます。特定のアドレスを所有していることを知っている人は誰でも簡単に資金の出所を追跡し、保有額を計算し、チェーン上の活動を分析できます。

Avalanche上でも同様で、取引を行うとAvalanche Explore等でトランザクションを追うことができますが、このSherpa Cashでは匿名性に特化しているためトランザクションを追うことができない設計になっています。

あどまん
匿名銘柄といえば、モネロやZCASHあたりが有名で、よくマネロンや犯罪のために使われるトークンというイメージが強いと思います。一方で、ビットコインを始めとする仮想通貨にプライバシーがないことに対して懸念も投げかけられており、プライバシー保護の観点で匿名性のあるトークンの必要性も問われています。
ここからは機能面について解説していきます。

プライベートトランザクションとは?

プライベートトランザクションとは、誰がどのアドレスに送金したか一切追うことができない匿名性に特化したトランザクションのことです。

現状、Avalancheのトランザクションは透明性があり、Avalancheに限らずERCやBSC上のトークンもトランザクションで追いかけることができることはご存知の通りかと思います。

パブリックなブロックチェーンを見ると、誰もが特定人物の資金の入出金、残高などの情報を調べることができ、全取引履歴を含む、チェーン上の活動を分析することができます。

あどまん
これを解決するために開発されたのがSherpa Cashで、プライベートなネットワークを構築することが目的です。

プライベート・トランザクションは、トランザクションの送信者と受信者の間のリンクを断ち切ることで、匿名性と完全なプライバシーを望む人たちのために存在します。

なぜ匿名性とプライバシーが重要なのか?

近年は、既存の貨幣がもつ「ファンジビリティ(代替可能性)」とそこから生まれる「プライバシー(取引秘匿性能)」の重要性についてよく議論がされています。

「匿名性が高い」というのは、「誰が誰に送金したか」という情報を取引の当事者以外特定できないことを意味します。

つまり、匿名性が高いことによって、情報の流出や不正なアクセスを防ぐことができます。

Sherpa CashはAvalanche Networkでプライベート・トランザクションを提供することで、既存のユーザーや新規ユーザーが安全かつプライベートな取引を行えることを目標としています。

あどまん
匿名性のある取引は、僕たち一般人からすると特に気にしませんが、ある人にとってはとても重要な要素です。
オンラインで個人の身元を明らかにするのと同様に、取引履歴を公開しても構わないと思う人がいる一方で、他のユーザーはセキュリティ上の脅威やプライバシーの侵害と捉える人もいるのが事実です。

Sherpa Cashが匿名性を実現するための仕組み

Sherpa Cashは、Ethereum上のプライバシー銘柄でもあるTornado Cashのフォークで生まれたトークンです。

取引の送り手と受け手の間のオンチェーンリンクを壊すことで、プライベートな取引を実現します。

ここでは、匿名性を実現させるための仕組みを説明していきたいと思います。

あどまん
ここからは結構技術的な話で理解するのが難しいのと、とりあえずSherpa Cashは匿名性に特化したプロジェクトってことがわかればOKって人はスキップしてもらって大丈夫です。

SherpaCashが備えている機能

zk-SNARK証明
シークレットノート
アノニマスセット
リレイヤー
コンプライアンス
アノニマスマイニング
zk-SNARK証明
Sherpa Cashのプロトコルは、送信者と受信者の間のプロキシで、取引の匿名性を保ちます。 この匿名性は"Zero-Knowledge Succinct Non-Interactive Argument of Knowledge "の略である「zk-SNARK証明」によって実現している。

あどまん
これはプライバシー銘柄で有名な「Zcash」が備えてる機能でもありますね。
シークレットノート
・ユーザーがAVAXをSherpa Cashに入金すると、シークレットノートが生成され、Sherpa CashのスマートコントラクトがAVAXを入金リストに追加します。
・ユーザーが出金する準備ができたら、Sherpa Cashの預金リストから未使用の預金と一致する対応するシークレットノートを提供する必要があります。
・zk-SNARK技術は、そのプライバシーに対応する特定の預金を公開することなく、ノートと預金を照合するタスクを実行します。スマートコントラクトは証明をレビューし、外部の観察者が送信者と受信者を照合できないような方法で、預金を出金アドレスに転送します。

 

アノニマスセット
アノニマス(匿名)セットとは、入金取引のグループです。
・Sherpa Cashでは、匿名性を確保するために、1、10、または100AVAXのあらかじめ固定された金額での入金を要求しています。
・アノニマスセットは、出金を待っている預金の数と、あなたの出金の元となる預金の数を示します。
このセットに含まれる預金数が多いほど、プロトコルの安全性が高まります

 

リレイヤー
・出金のガス料金を支払うためにサードパーティのリレイヤーを使用することで、匿名性とプライバシーをさらに確保することができます。
・ガス代を支払うために新しいウォレットにAVAXで資金を供給すると、取引の痕跡が残る可能性があります。このリレイヤーは、新しいウォレットがガス料金のためにAVAXを必要とせずにシェルパキャッシュから出金することを可能にします。
・Sherpa CashはAvalancheネットワークのx-chainとプライベートサブネット機能を活用して、Avalancheネットワークでのみ可能な独自の実装であるリレイヤー機能を実現させようとしています。

 

コンプライアンス
・Sherpa Cashのコンプライアンスツールは、ユーザーが法律、規制、または税務上のコンプライアンスを満たすことを保証する方法を提供します。
・秘密鍵を使って、Sherpa Cashのコンプライアンスツールで過去の入出金取引のデータを見ることができます。

あどまん
秘密鍵を使えば、Sherpa Cashの独自ツールで過去の取引のデータを見ることができるようですね。
完全に断ち切るのではなく、確認しようと思えばできる仕組みなのはありがたいです。

 

アノニマスマイニング
Sherpa Cashのネットワークは、大量の預金がある場合、最大の匿名性とプライバシーを確保することができます。
そのため、入金を追加するユーザーにインセンティブを与えるために、ユーザーがAVAXを入金して$SHERPAを受け取ることができるように、アノニマスマイニングを導入する予定です。

 

あどまん
僕たちがSHERPAを保有して得られる直接的なインセンティブは最後のアノニマスマイニングですね。
Sherpaは大量の資金があればあるほど、匿名性とプライバシーを確保することができるため、$AVAXをステーキングすることで報酬が得られる仕組みになるようです。

トークン$SHERPAについて

SherpaCashのガバナンストークンである$SHERPAは6/15時点ではまだ上場しておらず、購入することはできません。

また、Penguin FinanceでIDOの実施が決定しており、今月に上場予定となっております。


そのため、トークンの配分を見てもPenguinFinanceへの割合が多いことが分かります。

なぜ、数あるプラットフォームの中でPeguinFinanceなのか疑問に思っていましたが、SHERPA運営がこのようなコメントを残していました。

今回のDAO間売買では、すべての関係者にアプローチしました。プライバシートークンに関連するトークンの販売には、法的に複雑な部分がたくさんあります。私が予想していたよりもはるかに多かったです。そのため、乗り越えられない障害もありました。ペンギンは信じられないほどの回復力を見せ、割り当てを得るためには何でもしようとしました。彼らは、私たちのプロジェクトが一緒に働き、Sherpaの長期的なパートナーや友人になれるような革新的な方法をたくさん提案してくれました。このユニークな価値提案と頑固さが我々を魅了したのです。

あどまん
正直、Avalaunch($XAVA)でIDO実施されると思っていたのでこれは驚きました。
まさかのペンペンだったとは...。恐らく誰もがXAVAの初IDO銘柄がSHERPAだと思ってた人は多いのではないでしょうか。
PenguinFinanceがなんとしても自分のプラットフォームでSHERPAのIDOを実施させたいという思いが伝わったようですね。僕もこのようなアツいプロジェクトは大好きです。ペンペンは今後にも期待したいと思います。

また、このグラフを見るとCEXにも上場することが分かります。

最近まではAVAX以外CEXに上場していなかったAvalanche関連のプロジェクトですが、XAVA、PNGに続き、SHERPAもCEXへ上場することはポジティブなニュースですね。

InitialCapは150万ドル

また、上場価格も発表され、150万ドルのようです。

これはコインゲッコーの時価総額ランキングでいうと1,600位ほどです。

競合のプライバシートークンとの比較表を作成したので参考にしてみてください。

あどまん
うーん、フォーク元のTornedoがたった30倍と思うと、20倍くらい行くと御の字って感じですね。
とにっかう上場が楽しみです。

おわりに

SherpaCashはAvalanche上のプライバシートークンでした。

このプロジェクトは上場前からかなり注目を集めているため、上場時は盛り上がると思います。

Avalanche Networkは参入障壁が高いですが、調べてみると魅力的なトークンが多くてオススメですよ。

ちなみに、Avalancheをメタマスクに設定する方法についてはブログでまとめているので参考にしてみてください。